イタリアのヌテッラ、メリケンのスキッピー。

うちのママの作るナッツタルトは、おそらく世界一です。
これはひいき目では無くて、本当に世界一なのではないかと思っています。
ニューヨークやパリやリヨンのパティシエなぞ、ママのナッツタルトには敵いません。
ただし、いまんとこ、これはナッツタルト限定での話であります。

ヌテッラ
パオロ・ベッティーニも大好きなヌテッラ。イタリア野郎がマンマの次に好きなMONO。

ママは要領よく上手にヌテラも使います。
そしてほんのひとつまみの岩塩を加えるのだそうです。

他にも、良く乾燥した湿度の低い日にナッツをローストしたり、様々な工夫が施されているらしいのです。
歯ごたえサクサクのパイ生地、しっとりコクのあるキャラメルクリーム(きび砂糖使用とのこと)、カリッカリのヘーゼルナッツ・クルミ・アーモンドなどのナッツ類、わずかに利いたヌテッラクリーム、そして真の隠し味・ごくわずかな岩塩…。
おかげさまで、ナッツのタルトに関してはママ作以外は食べれなくなりました。
ママは食感にもこだわります。
食感(歯ごたえ)は、おおきく味を左右すると心得ているのです。
人間は、口の中でかむ「音」を聴きながら、味わっているのだそうです。
言われてみれば確かにそうだよなぁ。カリカリ♪サクサク♪
つまり、入れ歯の人は味も半減しているのです。

嗚呼、まさにドンズバのタルトなのであります。
これからも世界中のタルトを食べ歩いてみますが、なかなかこのタルトには敵わないと思われます。

どんずば
どんずば!あひー!w

あと、安トースト&スキッピーも好きです。
もちろん、安ブラックコーヒーと一緒に!
そいえばニューヨークの労働者カフェで食った朝飯の美味かったこと!
B級グルメの斯道は遠く、かつ深いのであります。
スキッピーについての話題はまたの機会に。

ジャック=イヴ・クストーのロレックス

「沈黙の世界」「太陽のとどかぬ世界」「世界の果てへの旅」などのドキュメンタリー映画で知られるクストー。
ドキュメンタリーが好きなので、かれの映画は繰り返し見ています。
クストー作品は昨今のハリウッド映画(ただのデジタル動画)なんぞより、よっぽどSFです。
神秘的な美しい映像で、オーバーな台詞や効果音などまったく無いのですが、深海という地球最後の未踏の地へと誘います。

映画 沈黙の世界
監督はルイ・マル。「鬼火」が秀作。

意外に知られていないことですが、クストーは第二次世界大戦にフランス海軍に所属していたとき、ドイツの潜水艦Uボートを撃沈させるための工作員でした。
そしてその海洋専門家クストーが潜水用腕時計として作らせたモデルの起源がロレックスの「サブマリーナ」です。ちなみにクストーは「ロレックスを選んだのではない。ロレックスしか無かっただけだ。」と広告塔であることを否定しています。

クストー
レジスタンスであったクストー。舗石の下は土だ!

サブマリーナはそれこそ厨房時計などと時計好きから揶揄されるくらいにメジャーなMONOですが、こういうMONOの成り立ち・発祥からアプローチする方は少ないのではないでしょうか。
せいぜいジェームズ凡人がどうとか、submarinerの表記が赤インクだとか、みんなが使ってないから使ってるから云々、こういうのは実用本位品ロレックスの選択肢としては馬鹿馬鹿しくてしょうが無い。

ロレックス 1680 nato
常用で日差+2秒以内というなかなかの精度

自分はクストーにルーツを求め、ROLEX サブマリーナ1680を愛用しています。
実際にクストーら、冒険家たちが使っていたサブマリーナはリューズガードさえも装備されていない初期型です。映画を見ればわかります。

ロレックス 1680
分厚いプラスチック風防と縁なしインデックスがアンティークの魅力。そしてトリチウム文字盤(オリヂナル)にこだわらなくて良い点が「白」サブの魅力

自分の愛用するROLEX 1680は1978年製(映画 ディア・ハンター制作年!)。これはデイト付きのファーストモデル。
1990年、2002年にオーバーホール。文字盤、三針、カレンダーディスク、ベゼルディスク、ルミナスポイントは日本ロレックスで交換済み。
ダイヤル下部に T<25 とトリチウム表記がありますが、実際はルミノバです。最近のロレックス社によるオーバーホールで行われる文字盤変更は「SWISS」単表記または「SWISS MADE」表記になってしまうのですが、オーバーホールしたのがずいぶん昔だったので「SWISS-T<25」表記で、かろうじて当時の雰囲気は残っています。
ルミノバへ変更されたので夜光色に統一感があり、しっかりと蓄光し、見た目も清潔感があって美しいです。いずれにせよ、放射性物質であるトリチウムは有害なので、オーバーホール時にルミノバ文字盤に交換されてしまうのです。

1680 rolex 1969

マニアの中にはオリジナルのトリチウム文字盤にこだわる人もいて、それはそれで自由ですが、実用時計として夜光が光らないサブマリーナなど個人的には意味がないとおもいます。加えて針・ルミナスポイントの色が文字盤と合ってないのも何だかなぁ。
マニファクチャラーが交換したのだから、もう仕方がない。

それにアンティークロレックスのパーツに対して異常にオリジナル状態にこだわる輩は、いわばモテない野郎の処女コンプレックスみたいなものだとおもいます。
俺は処女と×下位えっちしたことがあるんで以下省略


rolex 1680
1歳の娘はサイクロップレンズをとにかく押してきます。

旧型サブマリーナは現行品とは異なり、風防がプラスチックで盛上がり、文字盤もキラキラした縁取りがなくて、潜水道具としての雰囲気が色濃く残ります。16800以降のモデルとは、意匠の上では、ほぼ似て非なるモノといってよいでしょう。
それにサファイヤガラス以降のロレックスはいまひとつなかんじ。
さらに最近のロレックスはまるで機械式Gショックみたいな世界観なので、もうどうでもいいかんじで、まったく興味が涌かないのです。

rolex1680 armystrap
バリスティックナイロンではなく、デッドストックのリボンベルト(これも70年代製)が合います。

バンドは米軍MONOやNATO型メッシュを愛用。
サイクリストの細腕には柔らかいナイロンバンドが馴染みます。
このほかにもレジメンタル柄などに取り替えて遊んでいます。この時計はだいすきなミリタリーMONOにも良く合います。
ナイロンベルトを装着したときの4桁モデル(プラスチック風防のモデル)は、サファイヤクリスタルのそれと比べて、美しくマッチします。

尚、当ブログ前出のROLEX15200とは着る服などで使い分けていますが、海外旅行などには1680を持って行くようにしています。

インド旅行に同行したMONO(11)

今回のインド旅行は欠乏の美学を地でいく自由旅行でしたが、それでもいくつか忘れてはならない同行者がありました。

アビーホーン 靴べら

Abbeyhorn製
アビーホーンの靴べら。牛の角でできている創業200年以上の有名なアレ。
え?
インドにわざわざ靴べらを?と思う人も多いかと思いますが、旅先で靴を履くという儀式に欠かせぬ、いわば神器なのであります。「今日も一日、良い旅が出来るように」と祈る意味も込めて。靴べらでなくとも紙一枚で代用できるモノですが、いずれにせよ、良い靴と良いシューフィッティングには使い慣れた靴べらが必要です。元々はオールデン用に買った物。

アビーホーン 靴べら 裏

この手の天然素材製品は表情がひとつひとつ違います。こいつはとくに、裏表の色合いが独特で気に入っております。

あとひとつは…

ビクトリノックス ハントマン

スイス製アーミーナイフ

ごぞんじ。何かと便利。
インドでは野犬が多くて危険な目に遭いましたが、このナイフで少しヤクザな気分で歩けました。話が通じない連中には、残念ながらコレしかありません。
インドの野良犬はペット種ではなく、いわゆるビレッジドッグ(野生に近い)のそれであり、かなり凶暴な個体もいます。狂犬病も頻発しているようなので、インドでうかつに野犬に近づくのは危険です。日本の野良犬とはワケが違うのです。ご注意ください。

ビクトリノックス ねじ回し メガネ

コレの優れた点は、メガネ用の極小ドライバーを、コルク抜き部分に装着できるということ。

ビクトリノックス ねじ回し 眼鏡用

こんなかんじ。
メガネヤローには嬉しい装備品ですな。

持参したのは2種で、
ヴィクトリノックス・ハントマン・カモフラージュ柄と、ヴィクトリノックス・ソルジャー。ちなみにどちらも自作のチェーンを装着してます。戦いのさなかに落とさぬようにw


ビクトリノックス ソルジャー
これはソルジャー

しかし、インドでは地下鉄でもX線検査とボディーチェックがあります。ポケット入れたままなら、多分没収されていたかもしれません。カバンの奥底に隠せばバレませんでした。
ソルジャーだけは刃渡りもそこそこ長いので、スーツケースに入れっぱなしが多かったです。

ベナレスの菓子屋
ベナレスの菓子屋 (C)MONOブログ

インド旅行に同行したMONO(10)

知的欲求を満たす、毎月の愉しみ。
ごそんじ、ナショナルジオグラフィック誌(日本版)

ナショナルジオグラフィック日本版
旅のココロ、ナショナルジオグラフィック誌

未知の世界へと誘ってくれる素晴らしい雑誌です。世界中で33カ国語で発行されており、5000万人以上が定期購読しているとか、いないとか。
写真月刊誌としての実力は写真愛好家ならご存じのところでしょうが、なにより同社の出版物は知的レベルが高くて、高級紙として倫理と質も抜群です。
個人的には米国のリベラル寄りの雑誌というイメージを持っていますが、決してメルティングポットの幻想に傾注する向きもなく、むしろ世界を客観的かつ楽観的に捉えて語るサラダボウル派の論調。美しい写真誌であり、思索の友であり、旅のガイドブックです。
旅の予習・復習に、ナショナルジオグラフィック誌は欠かせません。ナショジオの話題は、インド、アフリカ、南米、極地と世界の隅々に及び、世界旅行へと誘ってくれます。
年齢的にまだ文字の苦手な子供たちも、パラパラめくって美しい写真を眺めています。

また、同誌とともに帝国書院の新詳高等地図は愚生の愛読書。かつては二宮書店の地図帳を愛用していましたが、2000年版以降、同社の地図帳は視覚的に見づらくなったので、やむなく帝国書院に乗り換えました。

旅の友

なお、地上波テレビを視聴しない我が家では、スカパー!のナショジオ・チャンネル(テレビ版)も見逃せません。このほか、ヒストリーチャンネルやディスカバリーチャンネル、J SPORTS、BBC、CNNなど見ています。
これも旅に備えての日頃の教養番組です。

タージ・マハル
タージ・マハル (C)MONOブログ

でもまぁ、こういう生活してると、マワリの人たちと全く話が合わなくなってきます。
NHKでさえアホくさくて見なくなりますからね。
まそれもまた一興。
むしろ本望。
フフ。

インド旅行に同行したMONO (9)

四住期

学生期 - 学ぶ時期
家住期 - 家庭にあって子をもうけ一家の祭式を主宰する時期
林棲期 - 隠棲して省察する時期
遊行期 - 煩悩を捨て乞食遊行する時期(死を受け入れる時期)

 インドの「マヌ法典」は人生を四つに分け、それぞれの住期において守るべき準則を詳細に規定している。

ガンガーの沐浴
(C)MONOブログ ガンガーの沐浴

36歳の自分はいままさに家住期である。
「家住者は、彼等全ての中にて景勝なりと言われる。なんとなれば、彼は他の三者を扶養すればなり」…。つまり働き、家族を養い、酸いも甘きも人生の果実を味わってよい時期だ。
そして、きたるべき「林棲期」「遊行期」にむけて準備をせねばならない。

しかし、ほとんどの日本人は、ほぼ一生が「家住期」で終わるのではないか。定年後のわずかな時期に「林棲期」「遊行期」を慌ただしく過ごして、だいたい病気かアルツハイマーになって、病院で死んでいく。

ガートで焼かれる死体
(C)MONOブログ ガートで焼かれる死体

「人生はみじかい」とずっと思ってはいたが、それは漠然とした哲学的命題のようにも聞こえて、やや現実味が無いようでもあった。
しかし、叔父の死を目の当たりにして、また、忙殺されて1年があっというまにすぎていくことを肌で感じているので、穏やかながらも少し色々スピードをあげていかないとまずい、という気がしている。
インドを彷徨って、こうした漠然とした思いが確信となった。

インドの石工
(C)MONOブログ 石工とサクラ

「人は仕事で磨かれる」とどこかの雇われ経営者が書いたジビネス書を読んだりして本気で信じていたが、そんなサラリーマンたちのまやかしにもう騙されることはないだろう。職業に貴賤はないが、難易度はある。

ガンガー 朝の沐浴の様子
ガンガー 朝の沐浴の様子 (C)MONOブログ

仕事のためだけに貴重な時間・労力・気力を使いつくす人生なぞ、まっぴらだ。これからの人生、他人のために貴重な時間を費やすことなどないだろう。自分の時間を支配するのは他人ではなく、自分の意思だ。それができるから、この道を選んだ。

日本人はもともと農民の出自が多いので、こういう「和」とか「絆」を乱すような生き方の自分を排斥してくるだろう。日本人は基本的に面倒見が良く親切だが、反面、同調性の無い者や異質な者を静かに抹殺する。
しかし、もう彼らにかまっていられない。

最近は「絆」って言葉も最近よく聞く。バカバカしい。まるで見えない鎖みたいで大嫌いだ。

屍肉を喰らう犬
(C)MONOブログ ガートで屍肉を喰らう犬

かつての武士階級の指南書「葉隠」は冒頭「武士道は死ぬことと見つけたり」ではじまる。しかし実は「人生は趣味に没頭して暮らすことが至上」と最終章で述べている。さらに「こういう真理を若者に教えたら勘違いして怠けるから、言わないだけだ」とも述べている。(三島由紀夫・葉隠入門を参照のこと)
そして自分の祖先は武士だ。
「侍ジャパン」とかよく言うよ。日本人すべてがサムライだったわけではない。勘違いも甚だしい。ほとんどは農民、せいぜい半農半士だ。アホ面してる自分の家系を辿ってみろ。笑わせるな。
それにご先祖がすべてサムライでなくても良いではないか。本当のサムライが「絆」などと似非平等を声高々に言うだろうか。それこそ似非サムライの戯言、噴飯ものだ。

帰国してから気が付く、日本という国の閉塞感と絶望感。些細な失敗を許せない矮小な気質。カロウシするまで仕事するキチガイの国。
俺の生き方に干渉しないでほしい。あなたに頼ることはしないし、もちろん干渉もしないから。

インドではたくさんの言葉を反芻して旅した。

寡黙な同行者であるMONOたちは、ただ静かに旅を支えてくれただけだ。
これからも旅を続けなくてはならない。
プロフィール

Author:まびっく
自称サイクリスト。
愛車はLOOK595にMAVIC
カメラはNikkorDX

豊かな生活とはなにか?
「こだわりがない」と「こだわらない」
は異なります。

旅のココロを忘れずに、
趣味の自転車とカメラを中心にして
玩物喪志・モノ自慢でないMONOブログを目指します。

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